湘南で・・・上半期の反省会

ここの四人が、夜半にぞろぞろと、すだれで浜辺から四隅を遮断された海の家に、入ってくる。丸いガラスのテーブル、そこには、おにぎりと焼きそばが、大皿を介して山と積まれていた。
脚は、正月の新年会に同じく、全裸の二人の女が務めていた。
バイトと思しい女子高生の店員二人が、海の家の隅でテーブルの脚を恥ずかしそうに見ていたが、入室した四人に、
「いらっしゃいませ」
「君たちも、してみるかね」
kimitokiの何気ない問いかけに、赤面して、かぶりを振ったさまが、かわいらしかった。
「御用がありましたら、何なりとおっしゃってください」
一人が、そう言ってうつむいた。
kimitokiとosadaが、四つんばいの女たちの正面に、BJとmuramasaは、側面にそれぞれ、あぐらをかいた。
置かれたバドワイザーのショート缶のプルタブをめいめい指でひいて、
「乾杯!」
あ〜、うまい!
異口同音に、彼らは言う。
osada「それにしても、しょぼいな〜。何たってよりによって、海の家なんかで。しかもすだれで締め切ってから」
kimitoki「まあまあそう言うな。世界不況の影響だ」
BJ「ホントあがったりだよ・・・」
muramasa「可能性の三文字が、金科玉条にさえ、感じるよ」
kimitoki「おいおい、それを言うなよ」
BJ「まあ、いいじゃんか。おにぎりに焼きそば。我々も、少し質素になろう、着てるものばかりじゃなしに」
kimitoki「正月がよすぎたからな」
osada「全くだ」
muramasa「このテーブルの、どこが質素なんだ?」
kimitoki「ナチスでも、ここまではしなかっただろうな・・・」
BJ「こいつらには、いくらずつ払う約束なんだ?」
kimitoki「一応、50ずつとは言ってある。ただし、3時間そこら、我慢できなかったときはダンピングするよ、とも」
osada「いくらに?」
涼しい表情でkimitokiは、
「万か円かだ」
三人「残虐な取り決めだな!」
思わず叫ぶ。二体の女は、うつむき、青くなる。
BJ「取り決めは、反故にするためにある、と思ってる奴は、多いからな」
それで女どもは、余計青ざめ、必死にいまの姿を維持する。
osada「よっ、サディスト!」
BJ「おまえに言われたくないわ」
三人が一様に笑う。
kimitoki「ところで、2009年も、半年が過ぎた。そこでだ、上半期を、振り返ってみよう」
つづく

inferno4