自著解説なんて、耄碌・・・

太宰治はそう言った。たしか「如是我聞」。
でもまあ、自身でプロパガンダでもやらんと、不人気かつ蛇蝎レベルでごみ板の住人どもに忌み嫌われている私などは、宣伝のしようがない。
「凍てついた時、封じこめた時」については、かつて私が左翼=民青ないし共産党 にいた頃の話だ。
出版のあてもないのに書き急いだことだけが悔やまれる。
で、出すまでに、書き上げてから12年かかった。
「出せば売れる」と思っていたが、さっぱり。
出してくれたV社も、宣伝には消極的。
お陰で私は誰でもなれる「ネット作家」止まり。


正直言って、上梓できたのが遅すぎた。そのことが最大の元凶。
それと、もしかしなくて、ねらー共のせいでMixiくびにならなかったら、この作品、少しはネット社会で世知されたかもしれない。


筋を簡単に追えば、無気力な高校生が左翼の青年団体に加入→革新政党共産党のことだけど、作中では「革新党」)に加入→大学への進学に絡んでの、青年団体の似非仲間の介入(これが一番のみそ)→合格取り消しゆえ、学資稼ぎがための離郷→出稼ぎ先の左翼人たちとの係わり合い→似非仲間への思慕→裏切り


といったところだ。
書いた当時は今と違い、斎藤喜博の思想的な影響が強く、作品の根底には、それが流れていた。
_書いているうちに知らず知らず出てくる太宰治の影響からは、抜け出したというのに_
執筆期間は二年。
書きながら、「進化」してゆく自身を、強く感じた。
持てる限りのもの全てを、投入した。
自身のネガティブな経験が絡むゆえ書いていて辛くなることもあったが、それらを克服することで、モノ書く上で必要な「突き放し」平たく言えば「客観性」が身についた。


つづく
kimitoki