強盗殺人は、無期懲役か死刑

これが、この国の量刑の相場らしい。
島秋人は、50年そこら前の2000円だから、結構な金額だったらしいが、これを奪って、一人家人をあやめたから、死刑となった。
_累犯だったことが、何よりの決め手だったらしい_


斎藤喜博がいうところの、「悪いところが芋づるしきに引き出された」見本が、娑婆にいた頃の島秋人、いや中村覚ということか。
反対に、「良いところが芋づる式に引き出された」のが、歌人 島秋人、ということになるか。


kimitokiは、島の歌をこき下ろしたが、文盲レベルだった人の、切り開いた可能性としては、見事。また、これはちょっとしたアイロニーだが、死刑にならなければ、歌人 島秋人は、生まれなかったかもしれない。


確かに、業は消えない。
犯した罪が購われるわけではない。
不遇な生い立ちが、彼の罪業を正当化できるものではない。


確かに、キレイに文章を綴るkimitokiを思えば、拙い歌ばっかりだ。
しかし、巧拙じゃない、
http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/wakamiya2.htm
したり顔で言えば、無念と慟哭が、彼の短歌には、にじみ出ている。
もし「心打つ」ものがあるとしたら、この点だろう。


死刑囚 中村覚は、歌人 島秋人として、糧を残した。
これだけで、生きた値打ちはあるのではないか?


それから、やれ派遣切られの何ので、強盗なり何なり思っている者は、冒頭のことを思ってほしい。
_確かに、食いっ逸れはなくなるだろうけど_
かまりたい人への揶揄も込めて、かように詠おう。誰も、「悪いことをするな」などとは言わない。かといって、悪事を奨励するわけではないけど。


罪業も消えることなき哀歌人罪を憎んで人を憎まず


BJ