イメージのない絵描き

芸事の本質は、イメージないしイマジュネーションにあるけど、ヒトラーの描いた絵はこれがなく、また、イメージの欠如が、絵描きとしては致命的だった。
描画技術そのものは、極めて高度だったと思う。
しかしながら、いかに写実とはいえ、イメージはついてくるものではないか?
かきてのイメージがない代物は、芸術とは言わない。
このことをホロコーストにこじつけるのは、やや無理があるけど、もしかしたら、ユダヤ人の屠殺に関しては、イマージュが働いたのかもしれない。
ヒトラーの絵にイメージは見えなくても、たとえば、ガス室送りの際、裸の女たちをそこに押し込むさまは、いい絵になる・・・・
罪業のほうが、芸事に見える皮肉を感じるのは、私だけだろうか?


付記。
ここの4人は、文字通り地獄の4人、ひいては地獄の「軍団」
_少なくともねらー共にはそうだろう_
なのだが、ナチスなんてのはまさしく地獄の軍団だったわけだ。首領のある種の創作物としては、このナチスに、よこしまとはいえイメージが見えるのは、皮肉ではある。
今年の春、デムヤンユクとかいう元ナチスの、棺桶に片足突っ込んだじいさまが、ドイツに強制連行されたけど、やってきたことを思えば、それでも生ぬるいくらいだろう。
死後墓を暴かれたメンゲレ、モサドに逮捕され、絞首刑執行後、散骨されたアイヒマン・・・
ナチスの戦犯は、こんなのでも、生ぬるく感じてしまう。


ただ、731部隊に入ってやれば、無罪放免だったかもしれないけど____
kimitoki