今がよけりゃ、それでいいじゃん

ナチスの幹部だった者たちは、半ばそれを地で行った。
誰を指すかは、言うまでもないだろう。
第二次大戦で、勝っている間そして劣勢になっても降伏するまではやりたい放題だったが、ベルリンが陥落してからは、当然
「勝てば官軍負ければ賊軍」
というわけで、ニュルンべルク裁判では、多くの幹部が吊るし首なり自殺なりの結果となった。
当然死んだところで、墓を建ててもらえるはずはなく、墓どころか散骨されるのが関の山だった。
曲がりなりにも「埋葬」されたヒムラーが、まだましに見えてくる。
敗戦時に無理心中したゲッペルスなどは、権勢をかさに芸能人を食い散らかしまくっていたという・・・
戦後、没収されこそしたものの、ゲーリングは、ユダヤ人らから、とてつもない数の美術品を分捕っていた。。。
逮捕されるまでは、とんでもなくいい暮らしをしていたわけだ。
ヒトラーなんて、いくつも山荘を持っていたらしい。
私などは、山荘どころか仮の住まいにいるからカリスマ、などとこいているが、去年の春までは家賃2万弱のぼろアパートにいた。
_それでも、ユニットバスがついていた_
シンドラーのリスト」に登場したアーモン・ゲートは、人間を狩って楽しんでいた、そんな彼も、最期は人前で吊るし首となるわけだけど、直前に、前髪を縛られた手首で整えたのには、驚いた。
ついでに主人公のオスカー・シンドラーは、ナチ党員ながらユダヤ人を雇用名目で可能な限り助けたものの、戦後は無一文だったそうな。


この国では、2,3人殺したら死刑が相場なんだけど、事件後3年で死刑執行された宅間守くんはまだいい方で、宮崎さんちの勤くんなんかは、19年も拘禁されての死刑執行だった。
ナチスの幹部連中は、判決後一年そこらで死刑執行されているのだから、ある意味幸せだったかも。
まさしく、「今がよければ、それでいいじゃん」
死んで散骨されたところで、墓がなかったところで、未来永劫むくろになった写真をさらされたところで、それが自身にわかるわけでなし。
BJ