T井R子について2

大学云々絡むまでは、どっちかというと疎遠だった女が、手のひら返して「合格おめでとう」。
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この時点で、いぶかるべき人物だったのだが、若いころの私は、「仲間」というだけで、無条件に信頼している部分があった。また、そんな女に、重大事を漏らすのも、どうかと思ったが、若さゆえの盲信、は「裏切り」を想定していない。それが、自身の人生をめちゃめちゃにされる結果となった。
それから、当時の私は、夢を追う、くらいしか、生への望みを、見ていなかった。幻想と言っても差し支えない「職業作家」への可能性だけが、高校時の先生様に、敵を屠ろうかとまで思いつめていた時に「何をしようが何とも思わん」などと言われてやる気をなくしていた者の、生へのモチベーションでさえあった。でもそんなことは、ヒポクリットには関係のないことだった。
それにしても、T井は、人の真心などを、何だと思っていたのだろう?大学云々のことでも、二人きりだった時に
「ここだけの話だけど」
といったにもかかわらず、民青の地区委員長をしていた、H(作中では大林)に、しゃべっていたのだ!ちょっと口が軽すぎるんじゃないか?
一番信用しちゃいけないキャラだったのだが、タヌキ面で、まるで加川三起調のさもやさしげな物言いは、私の愚かさと盲目と盲信と悪い意味での若さもあいまって、負の要素を見せなかった。
何より、T井の許せないのは、「学費なら何とかできる方法があるから。学校関係者に働きかけてみる」と言いながらも、この女は、何もしなかったことだ。何もしないならしないでいい、望んでまでしてほしいとは思わない、ただ、他人の人生の重大局面に介入しながら、平気で嘘をつき、たぶらかしたこと、これは絶対に許せない。
しかしながら悲しいのは、当時の若い私は、T井の言葉を真に受け、信じてしまったことだ。


書くだけで腹が立ってきたので、鎮静するため、以下次回へ。
kimitoki